ここで言う承認は、「借金の存在を認めた」と受け止められる行為のこと。
一度でも承認が入ると時効は“更新”=ゼロから数え直しになります。
超カンタンに言うと…
一部でも払う・払うと約束する・サインする=ほぼ承認 → リセット。
「確認中です」「記録の開示を求めます」などは承認に当たりにくい言い方。
承認=リセットになる代表例(NG)
- 一部入金(利息だけ・端数だけ・コンビニ払い1回だけ など)
- 「払います」「分割で払いたい」などの明確な支払意思表示(電話・メール・書面・チャット)
- 分割払いや和解の合意書にサイン(メール同意も含むことあり)
- 負債残高の確定書・債務承認書への署名押印
- 口座引き落としの再設定や「支払い用の口座登録」に同意
- 訴訟で支払義務を認める陳述(反論なし・請求認諾 など)
グレーになりやすい行為(注意)
- 「とりあえず調べます」と前置きしない問い合わせ(言い回し次第で承認寄りに読まれる)
- 家族・同居人の代理対応(「払いますと言ってました」などの伝聞リスク)
- 自動返信フォームの同意チェック(支払同意にチェックが入っていないか)
- SNS/チャットでの短文返信(文脈が短く誤解されやすい)
OK寄りの対応例(承認を避ける言い方)
テンプレ(コピペOK)
・「請求内容と金額の根拠を確認中です。現時点で支払義務を認めるものではありません。以後のやり取りは書面でお願いします。」
・「取引履歴の開示をお願いします。確認後に回答します。」
・「通常訴訟で主張します。電話では対応しません。」(裁判所の支払督促後に異議を出したケース)
よくある質問(Q&A)
Q. 利息だけ払う・端数だけ払うのはセーフ?
A. アウト寄り。一部入金は典型的な承認です。
Q. とりあえず「分割で」と言ってしまった…
A. その一言で承認→更新(リセット)と扱われる可能性大。以後の起算点はその日から。
Q. 返済の相談をしたいけど、承認は避けたい
A. 「確認中/履歴開示を求める」のスタンスを維持。支払意思を断言する表現・一部入金・サインは避けるのが安全。
“承認”と他のルールの違い(サクッと)
- 催告(会社からの請求通知):最長6ヶ月だけ一時停止(完成猶予)。詳しくはこちら
- 裁判・支払督促:手続中は完成猶予→確定で更新(判決債権は原則10年)。2週間対応の流れ
- 協議合意(書面/電磁記録):完成猶予(原則1年、通算上限あり)。
ミニチェックリスト(いま承認していない?)
- ここ数ヶ月で一部入金していない
- メールや電話で「払います」「分割します」と言っていない
- 合意書・念書・和解書にサインしていない
- 口座引き落としの再設定をしていない
3行まとめ:
① 承認=「借金を認めた」サイン(一部入金・支払約束・サイン) → 更新(リセット)。
② 迷ったら確認中/履歴開示のスタンスで、支払断言はしない。
③ ルールの全体像は「見分け方」「2週間対応」「催告6ヶ月」を参照。