私自身、任意整理後に銀行とリスケの再交渉を行い、収支表と改善計画で交渉を進めた経験があります。交渉用の説明資料を作る際の実務ポイントをテンプレ化しました。
これは筆者の体験であり、すべての事例に当てはまるとは限りません。
筆者の体験であり、一般化できない点があることをご了承ください。
準備の全体像(私の流れ)
私が実務で重視したのは「見える化」と「現実的な実行計画」です。銀行担当者が短時間で評価できる資料構成を意識すると進行がスムーズになりやすい印象でした。
- 表紙(案件名・顧客情報・作成日)
- 要旨(1ページで結論と要請事項)
- 収支表(直近6〜12ヶ月、将来12ヶ月のシミュレーション)
- 改善計画(施策・効果・実施時期・責任者)
- 証憑(和解契約書、源泉徴収票、預金通帳写し、返済履歴)
収支表テンプレ(実務ポイント)
収支表は銀行が最初に見る部分なので、根拠を付けて簡潔に示すと有利に働くことが多かったです。
- 月次の収入(手取)と固定支出、変動費を分離
- 税や社会保険を差し引いた可処分所得を明示
- 借入返済予定(元利別)を項目ごとに並べ、和解後の残高を注記
- 繰上げ可能な余力や節約案を数値化(例:毎月▲3万円で3年後に余力増)
- 将来試算は楽観的・現実的・悲観的の3パターンを提示
改善計画テンプレ(銀行向け説明)
改善計画は「何を、いつ、誰が、どれだけ効果を出すか」を明確にすることが肝要でした。私の場合、短期の可視化と長期の着地点を両方示しました。
- 現状と課題の短い整理
- 施策一覧(収入増、支出削減、資産売却等)と期待効果
- 実施スケジュールとモニタリング方法(毎月のチェック項目)
- リスク対応(代替案・第三者保証や担保の見込み)
- 銀行に求める条件(返済変更の期間・金利・猶予) → 「承認=更新(完成猶予)」の用語が使われることがある点を留意
添付資料と提出タイミング
実務では、事前に簡易版をメールで共有し、本提出は面談時に行う方法が有効でした。銀行側の確認期間の目安も示すと調整が楽になりました。
- 提出後の仮受付目安:受領後の確認事項が多ければ「受領後2週間」を目安に返答を期待する旨を記載
- 重要書類はスキャンで先に共有、本物は面談持参
- 督促や法的手続きの状況は事前に説明(確認した範囲では「催告 最長6ヶ月」などの表現が使われる場合がある)
想定される銀行の問いと準備
私が受けた主な質問と、用意しておくと良かった応答の形を列挙します。反論には数値で答えるのが有効です。
- 再建性の確認→短期収支と3年間のキャッシュフローを提示
- 回復が遅れる場合の代替案→家族支援、資産売却の時期と想定額
- 法的リスクの確認→必要に応じて専門家に相談し、支払督促や時効の援用、異議申立ての可能性も整理しておく
資料を作る際は、私がまとめたテンプレをベースに、銀行担当者の反応を見ながら逐次改善することをお勧めします。詳しい準備手順は「リスケ(返済条件変更)の交渉テンプレと準備」や「任意整理後の住宅ローン審査を通すための実務チェックリスト」を参照すると実務で役立つかもしれません。
▼自己紹介/体験まとめ:https://myhome-black.net/syokai/

