私は任意整理後に住宅購入を再チャレンジし、頭金の出し方で審査担当者の印象が変わった体験があります。実務で有効だった資金構成と提示のしかたを共有します。
これは筆者の体験であり、すべての事例に当てはまるとは限りません。
(※私の体験に基づく内容で、全てのケースに当てはまるとは限りません。)
全体方針──審査で「安全に見える」資金構成
任意整理や差押え履歴があると、金融機関は「返済能力」と「資金の出所」を厳しく見る傾向がありました。私が意識したのは、頭金の比率を上げるだけでなく、出所の透明性を高めることです。自己資金・贈与・売却益それぞれで提示する資料とタイミングが重要になります。
自己資金(預貯金)の見せ方
審査で最も評価されやすいのは、長期間にわたって残高の推移が確認できる資金です。通帳の入出金履歴や給与振込履歴を揃え、頭金が突発的に振り込まれた場合は説明資料を付けました。金融機関によっては「受領後2週間」以上の保有を事実確認の目安にすることがあったため、受取日と残高推移は注意深く管理します。
贈与を使う場合の注意点
親族からの贈与は審査で使えるケースが多い一方、贈与契約書や贈与者の銀行取引明細、贈与税の申告状況(必要になれば)を求められます。贈与金が短期間に受領→転送されていると説明責任が増すため、贈与契約と入金のタイムラインを明確にしました。
売却益など特別収入の扱い
不動産売却や株式売却の益は「一時的資金」として扱われることがあり、売買契約書・決済証明・振込明細を提出します。資金発生源が第三者(仲介業者等)である場合、そのフローを示すと審査がスムーズになりました。
頭金比率と借入比率の目安
私が相談した各行の傾向では以下が目安でした(個別差あり)。
- メガバンク系:頭金20%以上で評価が安定しやすい。債務整理履歴があると審査厳格化。
 - 地方銀行:頭金15%以上で可。ただし出所の説明を詳細に求められることが多い。
 - ネット銀行:LTV重視で、3割以上の頭金があると有利になるケースあり。
 
提示書類テンプレ(事例)
以下は私が用意した実例テンプレの要点です。必要書類は銀行ごとに変わるため、事前確認をおすすめします。
- 自己資金:過去6か月分の預金通帳コピー、給与振込の明細、残高証明(原本)
 - 贈与:贈与契約書(贈与者署名)、贈与者の預金通帳の該当入金履歴、贈与金の振込明細、必要時の贈与税申告書の写し
 - 売却益:売買契約書、決済通知書、売却代金の振込明細、媒介報告書
 - 説明書:資金の流れを示す時系列のメモ(受領日と使用予定を明記)
 
審査でつまずきやすい点と私の対処例
過去に「支払督促」や法的手続きがある場合、銀行側で警戒が強くなります。私は関連書類の説明と、現在の債務状況を示すことで信用回復の意志を伝えました。また、督促や要求が一定期間に集中していると追加説明が必要になりやすい印象です。時効関係の主張や裁判関係が絡む場合は専門家に確認したうえで書類を整えました(場合によっては「異議申立て」や「時効の援用」に関する事実関係の整理が必要になります)。
最後に──実行順序の一例
私の場合は(1)資金の出所を整理(通帳・契約書の収集)、(2)頭金比率を20%前後に調整、(3)事前相談で必要書類を確認、(4)正式申し込み、という流れで進めました。銀行によっては審査上の留意点を示してくれるため、事前ヒアリングを活用するとよいと思います。
▼自己紹介/体験まとめ:https://myhome-black.net/syokai/
  
  
  
  
