私も保証人がいる案件で和解を試みた経験があり、保証人への負担をなるべく小さくする案を複数検討しました。交渉では金額の圧縮と分割の組み方、文章の書き方が影響するように感じました。
これは筆者の体験であり、すべての事例に当てはまるとは限りません。
(筆者の体験であり一般化不可)
早期和解での基本方針
和解案はまず「保証人に追加請求が及ぶ可能性を下げる」ことを念頭に置きます。債権者側にとっても回収実績が上がる、保証人にとっては負担が軽い、という双方の利害が合致しやすい形を目指すのが現実的です。以下は実務で私が試した検討軸です。
検討すべき要素
- 合意金額の目安:原債務の40〜70%を交渉の出発点として検討することが多かった(事案により上下)。
- 分割回数:短期(3〜6回)、中期(12回)、長期(24回)を用意し、支払能力に合わせて選べるようにする。
- 一括減額と分割併用:一部を即時支払で減額、残額を分割する案は説得力がある場合が多い。
- 支払督促などの法的手続きが見えてきた場合は、早期合意で手続きを回避する旨を強調する。
金額設定の方針と例
金額は相手の回収期待値と債務者の支払可能性の折衝で決まります。以下は交渉テンプレの算出例です。
- ケースA(資力乏しいが誠意あり):原債務の50%一括、または30%即時+残額12回分割。
- ケースB(一定の資力あり):原債務の60〜70%一括提示、分割は6回まで許容。
- ケースC(返済計画重視):原債務の40%一括+残額24回分割(ただし利息は低率で)
分割案の具体例(毎月額の試算)
仮に原債務が100万円の場合のイメージです。利息は省略し簡便に示します。
- 一括案:一括60万円で完済(保証人への請求を最小化する趣旨で提示)
- 短期分割:30万円即時+残30万円を6回=月5万円
- 中期分割:40万円即時+残60万円を12回=月5万円
- 長期分割:30万円即時+残70万円を24回=月2.9万円(実務的には端数調整)
文面例(和解案の提示)
文面は簡潔かつ誠実さを示すことが重要です。以下は私が使った構成を参考にしたテンプレです。
- 件名:「和解案のご提示(債務整理の相談)」
- 本文例:お世話になります。現在の状況について誠意をもって整理するため、下記の和解案を提示します。1)一括または分割の選択肢、2)支払期日、3)支払遅延時の取り扱い(催告→協議)を明記。保証人への請求を最小化するため、合意後に相互に債務調整書を作成することを希望します。
手続き上の注意点
和解がまとまったら書面化し、領収や返済記録を残すことが重要です。また、まだ支払督促等の手続きが始まっていない段階であれば、その回避を交渉材料にするのが有効な場合があります。逆に支払督促が進行中ならば、異議や対応の余地について別途検討する必要があるかもしれません。
保証人への配慮
保証人への直接の連絡は最小限にし、まず債権者側との和解枠を固めた上で「保証人への影響を限定する」旨を合意書に盛り込むことを検討してください。書面での免除や代位弁済後の求償放棄などは個別対応が必要です。
最後に
ここに示した金額・分割・文面例は事案や相手次第で調整が必要です。実務では相手の反応を見ながら複数案を用意しておくと交渉しやすいと感じました。
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