私も住宅ローン申請と債務処理が重なった際、銀行面談で意図せず「承認」と受け取られそうになり、証拠を残して事なきを得た経験があります。本稿は面談や書面提出時に承認と誤解されないための証拠保全手順を実務寄りにまとめます。
これは筆者の体験であり、すべての事例に当てはまるとは限りません。
(筆者の体験であり一般化できない点があります)
要点の概観
銀行に書類や説明をする際は「証拠化」と「否認意思の明示」を両立するのが目的です。写真・送付履歴・郵便受領記録で事実を記録し、裁判関係書面(支払督促や送達記録等)は簡潔に状況説明を添えます。以下は面談前・面談中・面談後の具体手順です。
面談前のチェックリスト(提出前)
- 提出書類のコピーを必ず保管(原本は持参で控えコピーを渡す)
 - 写真撮影は全体→細部の順で、ファイル名に日付・場所を入れる(例:20251104_面談資料_表紙.jpg)
 - 郵送する場合は配達記録の残る方法を選ぶ(書留や配達記録)・控えをスキャン保存
 - 電子送信は送信履歴(送信日時・宛先・送信ファイル名)を保存し、受信確認があればスクリーンショットを添える
 - 提出時に「本資料は事実確認および証拠保全を目的とするもので、承認を意味するものではない旨」を書面で一行添える
 
面談中の振る舞いと記録方法
- 面談は録音が可能か事前に確認(不可の場合は面談メモを速やかに作成)
 - 発言内容は要点メモに残し、面談後すぐに日時・出席者名を添えてメールで銀行宛に送る(送信履歴が証拠になる)
 - 銀行側の書類受領は受領印や受領サイン、受領日時を明記してもらうか、受領メールを保存
 
写真・郵便受領・送付履歴の作り方
写真はタイムスタンプと全体像→拡大を必ず揃えます。郵便は控えをスキャンしファイル名に発送日・宛先を明記。メールは送信済みフォルダのコピーと送信確認画面のスクショを保存します。ファイルは時系列フォルダに入れ、誰に渡したかが追える状態にしておきます。
裁判関係書類の説明手順
支払督促や裁判所からの送達がある場合は、該当書類のコピーと簡潔な経過(受領日・対応の有無)を付けます。例えば「2025/11/01 支払督促受領、同日異議申立て未実施(現在弁護士と相談中)」のように事実を時系列で書くと銀行側も状況を誤解しにくくなります。
収支表サンプル(使える形式と説明文例)
収支表は過度に詳細化せず、資金余裕がわかる程度にまとめます。下は簡易サンプル項目です。
- 収入(手取り):300,000円
 - 住宅ローン返済:120,000円
 - 生活費(食費・日用品):50,000円
 - 光熱費・通信:15,000円
 - 保険・教育費等:25,000円
 - その他(合意中の支払等):20,000円
 - 差引可処分:70,000円
 
説明文例(銀行提出用):「添付の収支表は現時点の実支出・収入を基に作成した簡易表です。本資料は事実確認および証拠保全を目的としており、これをもっていかなる債務の承諾を意味するものではないと理解しています。」といった一文を添えると、承認誤認を避けやすくなります。
提出後の保全と弁護士への渡し方
提出後は時系列フォルダを更新し、重要度の高いファイルは別途バックアップ。弁護士に渡す際は「証拠パッケージ」として時系列・重要度を付けた目次を同梱するとスムーズです(参考:証拠パッケージ作成の最短テンプレ)。
最後に
実務では細かな差異が影響するため、可能であれば弁護士に内容を確認してもらいながら進めるのが安心です。私の経験上、記録の有無で誤解を防げる場面が多くありました。
▼自己紹介/体験まとめ:https://myhome-black.net/syokai/
  
  
  
  